スリーピーススーツを構成するベストの名称は、本来ウエストコートと呼ばれます。
ルーツを遡るとシャツは下着との位置づけですが、ジャケットを脱いだ際も品位を保持できる上、別布やカラーとの組み合わせで普段の着回しも格段に増えます。
ベストの種類
スーツと一揃えのベストもあれば、オッド(加えるの意味)ベストと呼ばれる単体で活用するものもお誂え可能です。
写真はスリーピーススーツの共布のベスト。こちらは襟付きダブルで6ボタン3つ留めです。
デザインは様々ございますが、ディテールによって見え方は違いますので、参考にしてみて下さい。
①シングルブレステッド

ボタンの数は5〜6個が一般的ですが、Vゾーンの見せ方によって変更可能です。現代的にはジャケットのVゾーンより少し浅めがバランスがいいでしょう。
写真はヴィンテージのLIBERTYプリントのオッドベスト。シングルの6ボタンです。

シングルスーツに合わせても構いません。シングルよりもエレガントな印象となります。ダブルの衿付きはジャケットを脱いでも重厚感のある佇まいが演出可能です。
写真はニット素材のオッドベスト。ダブルの6ボタン3つ掛けです。襟無しですがニット素材なのでシルエットが美しく、佇まいもカジュアルでありながら、エレガントな要素もあります。

首回りにスッキリ感を演出しながらも、品位を保てます。
写真はハリスツィードのヴィンテージベスト。シングル5個ボタンの最もスタンダードなベストです。
ツィードの柔らかい雰囲気が優しい印象を演出します。

胸元の重厚感を演出しながら、ジャケットを脱いだ時も衿無しのベストよりもエレガントに映ります。
写真は本項冒頭の3ピースのもの。精悍に映りますね。
【ベストの裾と丈】

裾のカットも様々なデザインがございますが、基本的な長さはベルトが隠れる程度が最もエレガントに視えます。
ベストの裾からシャツがはみ出ると、みすぼらしくなるので注意が必要です。バックルも見えない方がスマートです。
着こなしの際には注意しましょうね。
※もちろんベスト単体でのお誂えも可能です。