『オスカー・ワイルドとコーヒータイム』
株式会社三元社発行(2019年)
マーリン・ホランド著
サイモン・キャロウ(前書き)著
前沢浩子訳(敬称略)
19世紀末のヴィクトリアンダンディこと『オスカー・ワイルド』の唯一の孫、マーリン・ホランド氏が、想像上のインタビュアーによる架空のオスカー・ワイルドへのインタビューを史実に基づいて対談形式で著されたユニークな著書。フィクションではありながらも、彼を知る上ではとっかかり易い小伝形式で読みやすい内容です。彼のエキセントリックな志向も、純粋に新しいものや価値観への追求がその根底にあったことが窺えます。晩年の人間的な葛藤にどこか親しみを覚えてしまいました。