通勤は私服で、仕事内容は現場仕事のため作業服が基本。身体を使う仕事という事もあり、動きやすく楽な洋服しか持っていないとのことでした。スーツなどもお持ちのものまで、身体よりも実際大きめを選んでいるようで、就職して以来、数回程度畏まった時にしか着ていない状況でした。現在未婚でもあり、今後の事も踏まえて洋服を見直したいとの思いから、モニターに来られました。冬場でもあり、当日の洋服もダウンと大きめのデニムにスニーカーという、少しモッサリとした出で立ちでした。
適正サイズを把握したうえでシーンに応じて楽をせよ
40代を迎えられ、ご本人の落ち着きのある雰囲気をイメージし、茶色の渋みのあるウールのジャケットに、グレーのグレンチェックのトラウザーズをチョイスしました。身長も高く本来の足も細く長い形を、キレイに映し出すサイズを選びました。インナーやタイはお持ちのもので、革靴は60年代の vintage でブランディング。初めての vintage アイテムでしたが、革靴なら難なく取り入れられますね!と。
袖を通した当初は、ドカジュアルスタイルに慣れていたこともあり、少し窮屈に感じられておりましたが、着用した状態で暫く歩いたり、軽く動いて頂くことで少しずつ慣れていきました。ご帰宅後、ご両親がまずびっくりされたようで、絶対にこちらの方がいいと仰られていたようです。T様の今後が非常に楽しみですね。
普段から楽な洋服しか着なければ、本来の自分を美しく映し出す『最適なサイズ感』がわかりません。だからこそ自分にピッタリなサイズ感をあらゆる洋服に袖を通しながら、把握しておく必要があります。ドカジュアルなものは『フリーサイズ』という謎めいたサイズがありますが、洋服を作り出す側の売るためのグレーな文句です。フリーだから大丈夫。誰にでも合うというのはあまりにも短絡的な視点です。洋服は見て着て学ぶものです。手を抜けば抜いただけ自分に還ってきます。