洗練された空間は確かにいいものです。
ですが、計算されつくした空間は、
時に気恥ずかしく感じる時があります。
もっと『ありのまま』な空間があってもいい。
どこか懐かしく、心の底から落ち着ける場所。
無になれる凪いだ空間。
部分的に朽ちてはいるし、
一見無機質な感じもするのですが、
丁寧に手入れがされていて温かみを
感じる空間。
かつて靴工場であった場所は、
薬品の飛散や機材の擦れによる、
塗面の剥がれこそありますが、
人間の生活感のある温もりとして
残っています。
『経年劣化』
新しいものだけが美しいとは限りません。
色褪せ、朽ちていく中にしかない渋み。
これこそが生命本来の美しさと感じます。
『在りのまま』
そう自然と感じられる空間で、
生まれ持った個性を見つめてみては
いかがでしょうか。